早朝は細かい水滴を感じる霧です。曇天の一日ですが、呼吸を止めて作業すると汗が出ます。

先般、ミニチュアの「下駄(げた)」をつくってみました。まだまだ改良の余地のあるものです。しかし、作り方の基本は、普通の大きいものと同じです。つい先日、鼻緒(はなお)の赤い、ご婦人用をつくってみました。

しかし、自身が毎日使っている下駄もまた、大分年期が入っています。右の歯が極端に擦り減っているのです。2年間、雪以外の毎日、沐浴に出かけた結果です。然もあり何、です。


この下駄は、サンプルとしてつくったものです。左右の歯は、板の使い方を変えています。

一方は、木の目を縦に使って木口面が地面にあたる方法です。これには薄めの材を使っています。他方は、逆の、90°寝せる使い方です。木端面が地面に触れる使い方です。これには厚いものを使いました。

木口が地面に着く使い方が、歯の減りは少ないと思うのが一般的です。しかし、実際に確認したかったのです。それを見事?に証明したことになります。2年間を費やす遠大なプログラムでした。

一般的な下駄は、この減りやすい木端面が地に着くようになっています。その理由は、作り方にあるようです。1つの木の固まりを、歯を含めて2分割にしているようです。

その結果、木の目は合っていますが、一方の台は木表が上で、他方は木裏が上になっています。因みに、両方が木表の下駄は、別格扱いされているようです。

2年前につくった下駄は、歯の厚さ、木端と木口、そして鼻緒の位置もまちまちです。それでも普通に使ってきました。結局、いずれであっても、下駄としての機能は十分に果たしてきたことになります。


素材は、秀木「青森ヒバ」です。清潔さを保つために無塗装にしています。

その結果、足指の一本一本のカタがついています。不謹慎ながら、つくりは拙(つたな)いものです。しかし、既に愛着は一入(ひとしお)のものがあります。

作業は一瞬です。玄能で、減った歯を叩いて外し、新しい歯と挿しかえるだけです。口の歯の手当と同じです。歯の厚さ調整だけはデリケートな世界です。明日から、一方だけが真新しい歯で闊歩することになります。

2013/06/26(水) 18:28