福島では、花と雪が同居していたそうです。奥州最北端の花にはまだ一週間以上もありそうですが、寒暖の推移は、起伏のある波のようなニュアンスです。今朝は曇天です。青空ではないことから放射冷却はなく、穏やかな春です。

朝、友人がお見えになります。『裏山に行ってみます。雪は融けただろうか。』と、工房の煙突の煙を見て寄ります。仕事のお休みの日には山に入りたくなるのです。森林浴とともに気分転換が、明日のお仕事を支えてくれるのです。

庭のアイヌネギは、既に緑の葉がボーボーに伸びています。アイヌネギは既に遅いようです。しかし、アザミ(薊)はこれからのようです。数日前にいただいたものはサワサワしています。胡麻和え(ごまあえ)と味噌汁でいただきます。収穫を期待するところです。ワサビは、今、白い花をつけ始めています。


今日も朝から工房に籠(こも)ります。目の前には、無限ともいえる課題が山積しています。取り敢えず、その中か「額」の3回目の塗りを決意します。しかし、「漆風呂」でお休みさせていたものの、乾燥はまだです。即、方向変換します。


「椅子」の下拵(したごしら)えをすることにします。この「椅子づくり」は、多くの木工愛好家の永遠の課題のようです。我が工房KUROOBIもこれまで十数脚をつくっていますが、いつも、ボヤーッとした結果に落ち着くのが不思議でした。

その理由のひとつは、どのような椅子を作りたいのかの具体的なイメージが無かった所為(せい)のようです。しかし、先般、ドキッとする椅子に出会います。幼稚園としては草分けともいえる歴史あるK幼稚園にお邪魔した折です。そこで使われている椅子は、懐かしい、シックリとくる作品だったのです。

W園長にお聞きします。すると、『この椅子は3世代受け継がれているものです。』と誇らしげに説明してくださいます。今は、合成樹脂と金属の現場です。和(なご)みを醸(かも)し出す木材だけの椅子は少なくなっています。

それは、贅肉(ぜいにく)を極度に削除し、機能中心につくられています。それでいて優雅さがあるのです。不思議な世界です。昔の達人のセンスに、ガーンと頭を叩かれる瞬間です。感激すること頻りです。

即、壊れている1脚を預かってきます。どうやら、材質はミズナラのようです。ミズナラは裏山に沢山生えています。しかし、自然乾燥されたものは殆ど手に入らないのです。伐って間もなくのものは狂うことから工作には向かないのです。

しかし、昨年、40年間も室内乾燥させた材をいただきます。それをY製材所の社長さんに挽いていただいきました。それも、パーツの分に合わせて3種類の寸法に挽いていただいています。今日は、まずそのカンナ(鉋)がけです。愈々(いよいよ)憧(あこが)れの「椅子づくり」の開始です。


その頃、お客様がお見えになります。T新聞社のS記者さんです。当地と隣町のH町の「趣味の世界」をシリーズで扱うのだそうです。このお話のあった当初は二の足を踏みましたが、結局受けることにしたのです。

30分ほどだと思っていたのですが、取材は3時間に及びます。記事としての活字数は30文字のようですが、一応、写真は3パターンを撮ります。皆様にご迷惑をお掛けすることも考えられます。その節には、乞う、ご容赦です。

ひっそりと挑戦してきた工房活動です。それが、いつの間にか大きくなっているようです。毎日が修行の拙い腕です。汗顔すること頻(しき)りです。しかし、当地自慢の誇る素材は身の回りにたくさんあります。その良さを、世界に発信すべきなのです。


来週はハードスケジュールです。自宅でお休みできない日が数日あります。この日記は、遥か遠方で綴ることになりそうです。

2013/04/21(日) 16:07