先週、早朝に東北自動車道最北端を発ち、お隣の県に向かいます。出発時点で路肩に盛り上げられている雪の量は南下するにつれて少なくなり、顕著に無くなるのは、松尾八幡平の辺りです。雪の有無は別世界の様相を呈します。

花の都の東京では既に花見の宴がたけなわです。今年の開花はいつもより早いようです。例年の奥州最北端では4月末です。櫻を尺度とすると、1ヶ月の時間的距離です。

途中に見る岩手山が見事です。陽光を受けた純白の山雪は派手で目に眩(まぶ)しいです。車の中から、見え隠れする岩手山を目で追いかけます。形が変化するのが不思議です。北から見る裾野はバランスよく広がり、頂きに鋭さがあります。他方、南側からは台形のように見えます。

話は飛びますが、津軽の高校生に岩木山を描かせると、形がまちまちになるそうです。どのような形に描くかによって、生徒の出身地が特定されるのだそうです。弘前や板柳から見る形、稲垣から見る形、そして東西から見る姿はそれぞれ異なるのです。


このところの寒暖の差は非常に大きく、面喰っています。暖かい日には、つい、春と勘違いします。翌日は猛吹雪です。春分の日は暖かく、つい、庭に出て種植えをします。

植えたのは「銀杏」です。初めての試みです。銀杏は雌雄異株です。一般的にはオスの木が多いです。巨木といわれる殆どはオスです。銀杏の実には2面体と3面体の2種類があるようです。噂(うわさ)では、2面体が雄(オス)で3面体は雌(メス)といわれています。

銀杏の葉の形にも2種類あります。スカートの形がメスで、中央が2つに分かれているズボン型がオスといわれています。しかし、葉の形による雌雄の識別は、種から植えてしばらく経たなければできないようです。

噂を信じて、種の段階でメスを選びます。メスの3面体は少なく、オスの数の1/100ほどのようです。桶一杯の中から30個ほどのメスを選びます。表面が乾燥して硬くなっていることから、3日ほど水に漬けて植えます。

夕刻お出でになった友人にその様子を伝えます。すると、『硬い殻の場合は、予(あらかじ)め、殻に孔をあけて植えればどうだろうか。』と言います。水に漬けることだけでも勇気を伴うものでした。孔をあけて植える、ということは想像もつかなかった世界でした。ま、気長に様子を見守ることにします。


この種植えは、将来、銀杏林をつくる仕掛けです。与謝野晶子の『・・・銀杏散るなり夕日の岡に』もそうですが、葉を落とした後に現れる、空を突き刺すような枝の風情が魅力です。勿論、狭庭です。盆栽になります。

話は飛びますが、延々と続く銀杏並木を見かけます。大抵はオスです。しかし、メスの場合もあります。秋に実をつけた実が落ちて踏みつけられるとき、強烈な匂いを発します。個人的には嫌とは思わないのですが、一般的にはそのことで困っているようです。

メスを目指すオスの花粉は1里も飛ぶ、といわれています。また、受粉後に虫が出来る、とも言われています。そして、オスの出す乳液は子授けの薬とも言われています。銀杏は太古の植物といわれていますが、オスとメスの識別とともに、その生態については未だに解明されていないようです。


2013/03/21(木) 14:00