
昨日今朝と雪は無く、やや暖気です。少し気が楽です。しかし、早朝は除雪です。道路に面した屋根の落雪が山になっています。歩行者のことを思うとドキッとします。暖気は暖気で気を使います。
今日も朝から工房に籠ります。昨日塗った漆がサラリと乾いています。漆風呂の置き場所を変えたことが功を奏したようです。
他方、1週間前に塗った「額のスタンド」は、まだ十分に乾いていません。話は飛びますが、一説に、漆の乾きには2つの見方があるようです。乾き難い条件で、長時間を使って乾かすものと、乾き易い条件で乾かす方法です。

時間をかけてジワリジワリと乾燥させることによって、乾いた結果が堅牢になる、という噂があるのです。
しかし、乾きに拗(こじ)れたものは、一度それらを削除して、改めて塗り直してやる、というのが一般的のようです。いずれにしても、時間を要し過ぎる方法は、よほどの余裕が必要です。
まず、細かい凸部をサンダーで削除します。全体をザッとサンダーで撫でるだけです。2回目からはテレピン油を使わないことにします。粘度の高い漆です。塗った後、しばらく時間を置いて拭き取ります。
拭漆(ふきうるし)の魅力のひとつは、年輪等の木地が見えることです。厚く塗ると、木地の正体が隠れてしまいます。しかし、如何に拭漆とはいっても、1回目の漆は、十分に木部に浸透させる必要があります。

漆は、時間の経過で透明化する傾向があります。最初はやや黒く思えても、やがてそれが深みを演出します。
そして、この拭漆を数回繰り返すことで艶(つや)が出てきます。その回数は、最低5~6回と言われています。デリケートで時間を要する世界です。しかし、仕上がったものには見応えがあります。
今日は、トレイの他に、「応量器」、ペン皿、「額立て」、「茶筒」等にも塗ります。「応量器」は2回目の筈でしたが、予想以上の艶が出ています。ケヤキの特性のようです。ほんのサンプルとしてつくったものが、いつの間にか手が込んできています。
塗りを待っている木地(きじ)がたくさんあります。丁寧な作業にするつもりです。