
ついにタイヤ交換の季節になります。タイヤ交換、というのは、自動車の夏用タイヤから、雪でも滑りにくい冬用のタイヤに交換することです。
とはいうものの、今冬は交換不要です。実は、今年はお勤めしたことから時間がとれず、昨冬から夏中、履きっぱなしのスノータイヤだったのです。この余裕は、皆さんから呆れられたことに耐えたご褒美のようなものです。
しかし、「雪囲い(ゆきがこい)」には焦ります。ご近所には、既に1ヶ月も前に終えているお宅もあります。そろそろ限界のようです。早朝から遅ればせながらの冬自宅に挑みます。
庭は、やがて2mほどの雪に埋まります。そのことを想像しながら、雪の下に置いたままでは困るものを移動させます。また、一旦「雪囲い」を終えると、そのフレームが邪魔になり、フットワークに支障をきたします。簡単な「雪囲い」ですが、その手順にはそれなりの、効率的なストーリーを要します。
まず、植木鉢を大きい木の根元に移動させます。庭の隅に積んでいる園芸用の土や肥料、バケツ、草刈り機等を物置に収納します。他に、ベンチやテーブルを四阿(あずまや)の屋根の下に運び入れます。
そして3ヶ所に住まわせているメダカの引っ越しです。これまで蹲(つくばい)で活躍していましたが、冬には蹲の水がカチンカチンに凍ってしまうのです。かわいそうです。水槽に移して室内で越冬していただきます。

実際の「雪囲い」作業の前には、あれやこれやの1時間以上ものイントロダクションが伴います。そして愈々フレームの組立です。この組立にはさまざまな方法があるようです。さまざま試してきました。しかし、ここ数年、ようやく一つの方法に落ち着きます。
それは、3本の柱の上部を荒縄で縛り、それで三脚をつくるやり方です。縛った3本を立てて、1本ずつ同一方向にずらしてやると安定して三脚になります。それを木の大きさに応じて脚を開いてやるだけです。
柱は結構な重量です。ウェイトトレーニングの連続です。老骨には厄介な作業です。しかし、ここまでくれば後は簡単です。三脚の位置に納得した後、数本の柱を凭(もた)せ掛けてやるだけです。一段落するまでに6時間を要します。
しかし、「雪囲い」としては道半ばです。この三脚を萱(かや)で覆って完成です。この最終段階は、日を改めることになります。明日は雪の予報ですが、初冬とはいっても、小春日和の土日はありそうなのです。
これまで濃い赤であった「紅枝垂れ紅葉(べにしだれもみじ)」の葉が「錦」を呈しています。話は飛びますが、本来、この「錦(にしき)」は「絹織物(きぬおりもの)」のことのようです。金色や銀色等のさまざまな色糸を使った織物のことです。

武島羽衣(たけしまはごろも)作詞の滝廉太郎の「花」の3番に「錦おりなす長堤に・・・」があります。この意味は「長く続く堤は、美しい錦の織物のように見える・・・」の意味のようです。
他方、高野辰之がつくった「紅葉(もみじ)」の2番にも「錦」が使われています。「・・・赤や黄色の色さまざまに水の上にも織る錦」です。同じ「錦」を、一方は春、他方は秋で使っています。「錦」は、やはり、絢爛(けんらん)の代名詞なのかも知れません。しかし、例年の「紅枝垂れ」は、この錦の直後に散ります。
多くの木々が葉を落としている最中に、日に日に逞しさと緑を誇っているのは「山葵(わさび)」です。山葵の緑は春と秋に見ることができます。或いは、旬なのかも知れません。