
『薪(まき)は盆前に割る』の言い伝えがあります。それ以降であれば十分に乾燥しないからのようです。
朝夕通る道路沿いの数か所でも薪を支度しているのを見かけます。春から毎朝見ていると、積まれた薪の山が少しずつ高くなっていることに気づきます。冬を迎えるための支度を春からしていることになります。
工房に薪ストーブを使っている我が家でもそうです。薪小屋の残量を見て、どれほどを準備するかの見当をつけ、この春からあちらこちらから薪材を頂戴してきます。また、届けてくれる方もいます。
その殆どは立木を3尺ほどに伐ったものです。そのままではストーブに入らず、1尺ほどにカットします。そして、太いものは縦割りをします。この作業は簡単なものです。ツールはチェンソーです。

しかし、鋭利な刃だけが作業を簡単にさせます。カンナや丸鋸(まるのこ)、彫刻刀等の木工用刃物と同じ理屈です。刃が鋭利でなければ余分な力と時間そしてそれなりの根性が伴うのです。
しかし、草刈り機同様、チェンソーを扱うには若干の背筋を使います。即、骨折している腰がその存在を訴えます。今日は、時間が無く、また、気力も衰えていることから新しい刃に取り替えます。夏のバターをナイフで切るように、わずか10分ほどで作業を終えます。
先ごろから、桔梗(ききょう)が咲き始めています。その頃は紫の花だけでしたが、今朝、白い花に気づきます。
春、芽だしの頃には無かった斑点が薄(すすき)の葉に表れています。鷹羽薄(タカノハススキ)です。中秋の名月に似合うとされる秋の草です。
話は飛びますが、冬に近い秋、カリフォルニアに行ったことがあります。日本では草木の枯れる頃です。しかし、ロスではその頃から「緑」の季節になります。同じ北半球で緯度も同じです。驚きます。

訊くと、『一年を通して殆ど雨の降らない地域です。しかし、冬には少し降ります』『その湿り気で、山が緑に変化します。』のだそうです。
山口素堂の、『目には青葉 山郭公(ほととぎす) 初松魚(はつがつお)』は、日本だけの風流なのかも知れません。
季節は少しずつ変化し、その変化に応じて咲く花も変化しています。不思議で見事な日本の自然が嬉しいです。