
今日は土曜日です。お休みをいただきます。この一週間で荒れた狭庭に手をかけます。メインテーマは収穫後のプランターの整理と水遣り(みずやり)です。
そして、工房の掃除です。実は、ここ最近チャレンジしている課題がいくつかあります。まず、「名刺入れ」です。細かい加工を伴うものです。そのためには心をピュアーにすることが必要です。そのためには、まず環境の整備です。
助手と二人掛かりの掃除になります。単に掃(は)いて整頓するだけで意欲が増してきます。いつも感じる不思議さです。
材料は薄い「青森ヒバ」です。以前、Y製材所から、分合わせで出た、厚さ3mmほどの板をいただいています。それを丸鋸、テーブルソーで希望する幅にカットし、プレナー(自動鉋)で整えます。

しかし、ブレナーの構造上、期待する厚さまで仕上げるには気を使います。友人のW氏は、台木に載せ、しかも、刃の高さ調整をほんの少しずつ変化させる方法等で見事にこなしているようです。
今回は、取り敢えず、片面だけは綺麗にすることにします。その面を箱の内側にして、不十分な面を外側にする目論見です。外側は、組立後にペーパーで仕上げます。多少の粗さがあってもも、次の段階で解決できそうなのです。この方法は、先日、達人のI氏から伝授されたものです。
今回の「名刺入れ」は3作目です。1作目は印籠(いんろう)のようなゴツさになり、やや、というよりは、相当、不満足な出来です。2作目はスプリングが甘く、1~2枚の名刺を入れるだけでは、逆さにすると落ちてきます。
今日は、2つのスプリングを交差させる設計にします。これはW氏からいただいたヒントをもとにしています。更に、スプリングにトヨシ(籐葦)を使ってみます。このトヨシは桶(おけ)の箍(たが)に使った端材(はざい)です。結果は見事に成功です。

更に、2作目と異なるのは名刺の取り出し口の位置です。これまでは、つまみ出す切り込み位置を中央にしていましたが、それを左右の一方に寄せてみます。これは、機能的な意味もありますが、精神的な配慮からです。
実際の加工は、中央とはいっても微かにズレることが多いです。仮に、正確な中央であっても、見る側に不安を与えるのです。正三角形よりも不等辺三角形の方に安堵(あんど)感を持つ傾向のあることと同じ理屈のようです。
たかが「名刺入れ」ですが、結局、I氏の作品を加えて5つのバージョンのプロセスを経たことになります。しかし、納得するまではまだまだ試行錯誤を繰り返すことになりそうです。ともあれ、この休み期間に、20個ほどはつくってみたいところです。
今日は、数方の来客があります。昼前においでになったのは津軽のT氏です。彼は、家業の醸造業の他に木工修行者でもあります。大鋸屑(おがくず)やヒバの微粉末の充満した工房で、あれやこれやと話し込みます。