
今春、植えるのを躊躇(ためら)った中にイチゴ(苺)があります。しかし、赤い色の誘惑に勝てずに2鉢だけは植えます。
数日前からほんのりと色づき始めたことは知っていました。しかし、今朝あらためて見ると、2粒だけですが小気味のよい赤を呈しています。既に採り頃のようです。しかし、1粒は既に悪くなっています。
ここ2~3日ぐずついた天気です。その長雨(ながあめ)もありますが、しっかりと眺(なが)めてやらなかったことが悔やまれます。採る時期を逸したことになります。
小野小町(おののこまち)が歌ったように、『花の色はうつりにけりないたづらに我が身世(御代)にふるながめ(眺め・長雨)せしまに』の世界です。
『・・・物思いにふけっているうちに盛りの時を過ごしてしまった。』ことを見せつけられると、少ししょんぼりします。
反面、吉田兼好が、『花はさかりに 月はくまなきをのみ見るものかは・・・』と歌っています。青い実、熟した赤い実、盛りを過ぎて崩れかけた実、変化するそれぞれの課程の断面には、それぞれに見るべきものがある筈でもあります。

早朝、「塗り」をします。沐浴の前の一瞬です。「名刺入れ」への塗りです。木地が青森ヒバです。木の実態を表現するために、本来?は、塗りたくないところです。しかし、手で触る機会が多いです。
葛藤の末、結局、コーティングすることにします。塗料は「木固めエース」です。舐めても良い、とされる透明なウレタン系です。お気に入りのひとつです。実は、この塗りは今朝で3回目です。これまでの2回は夜の作業でした。朝の光でよく見ると、非常に粗末な出来になっています。
まず、これまで塗った表面にサンダーをかけ、気になる凹凸面を綺麗な?平面にします。そして3回目の塗りに入ります。とはいうものの、作業時間はほぼ一瞬です。帰宅するまでには、ほぼ乾いている筈です。勿論、不満足であれば、4度目に挑戦することになります。
朝、2点の作品を調達します。4~5年前につくった「桶(おけ)」です。これまで、近くの旅館の花器として使われていたものです。旅館のロビーに置いている手桶をお借りしてきます。

一方は手桶(ておけ)を真似たものです。飾り箍(かざりたが)には布、手はイチイ(一位)の枝をつかっています。他方、小さい桶は、一升瓶の袴(はかま)をイメージしています。こちらのタガ(箍)はトヨシ(籐葦)です。いずれも拭き漆仕上げです。
作る段階で、タガのまわし方が全く解からなく、秋田県の名人に手ほどきを受けます。下手ながらも、完成した瞬間は劇的なものがありました。この「桶」が、工房KUROOBIの処女作です。以来、100荷ほどの桶をつくることになります。木工活動にのめりこんだきっかけです。
今見ると、冷や汗ものの出来です。しかし、その拙(つたな)さが、逆に不思議な素朴さを演出しているようでもあります。作品は、今月中旬から美術館に展示されます。ま、笑われることを承知で恥をさらすことにします。