
このところいつも同じことを書いています。「早春賦」です。今日は2番の『氷融け去り 葦はつのぐむ さては時ぞと 思うあやにく 今日も昨日も 雪の空 今日も昨日も 雪の空』です。
今朝は10cm以上の新たな積雪があります。まさしく、『今日も昨日も 雪の空』通りです。既に4月です。入学式の時期になってもまだ雪です。湿った重い雪です。
奥州最北端の除雪は掃除のようなものです。一般的に3月初めの卒業式の雪は季節がら許せるようです。しかし、4月の入学式は春です。綺麗に除雪しておく習わしがあります。今日の入学式では、校門付近の除雪に相当苦労したようです。
話は飛びますが、例年のこの頃の風物詩に、「トゲクリ蟹」があります。「蟹田」の地名があるほど昔の陸奥湾(むつわん)は蟹が豊富だったようです。40年も昔になりますが筆者も獲ったことがあります。友人のY氏に勧められてです。

Y氏から蟹獲りの道具や条件を伝授されます。『4つの道具が必要です。胴付き、カーバイト、バケツ、そしてデレッキです。』です。
胴付きは、胸まで一体となっているゴム長靴の大きいバージョンです。バケツは獲った蟹の入れ物です。そしてカーバイトは照明器具です。懐中電灯は不適のようです。カーバイトの灯りが漣(さざなみ)であっても水中に浸透するのに対して、普通の懐中電灯は海面で光が反射して海中が見えないのです。
当初解からなかったのはデレッキです。実は、これで蟹を掴(つか)むのです。素人には想像のつかない世界です。使い方は、左手をバケツの手に通し、同じ左手にカーバイトのカンテラを持ちます。そして右手にはデレッキです。
話は飛びますが、デレッキの語源はオランダ語の (dreg)のようです。奥州最北端から北海道にかけての言葉のようです。一般的には薪(まき)ストーブの火ばさみとして使っています。
更に、蟹獲りのタイミングがあります。干潮と夜が一致する弱風の折です。そして曇天です。蟹は月明かりで動き回るといわれています。動くことで身が痩せるのだそうです。説明を受ければ納得できそうです。
とはいうものの、初めは、海底の蟹を探すのは難しいものです。目が慣れないからか蟹が見えないのです。Y氏は、『蟹の形をイメージして、同じような形のものを探すのです。』と教えてくれます。
コツを理解すると、すぐにバケツ一杯になります。それを自宅に持ち帰って茹(ゆ)でます。水からだった筈です。真っ赤に変色します。30~40パイもあります。しかし、1~2ハイ食べるのが限界です。飽きてしまうのです。結局は余すことになります。

蟹は、春の今頃、産卵のために岸に寄って来るようです。場所は自宅から2~3分ほどの砂浜です。恵みの海でした。
しかし、20年ほど前、その場所にコンクリートの桟橋(さんばし)ができます。その後、蟹が寄っているのかは未確認です。
話は戻りますが、「早春賦」の『・・・思うあやにく・・・』は、「期待に反して」と訳すようです。まさしく、「思うあやにく」の春の雪です。しかし、昨日、見慣れない小鳥が電線に留っています。
春は確実に近づいているようです。また、待たされることで、春への思いは更に募ります。