
「桶のようなもの」をつくっているところです。今日も終日の工房作業です。今日は「箍かけ」です。どのような位置に回すか考えるところです。
箍(たが)は位置によって名前が異なります。また、樽(たる)と桶(おけ)でも多少異なるようです。
桶の場合は、下方の下から順に「泣きタガ」、「小尻タガ」、「底持ちタガ」です。中間部は「追輪タガ」、「口輪タガ」です。そして最も上部にかけるのが「鉢巻タガ」です。今回は4本のタガにします。「泣きタガ」、「底持ちタガ」、「追輪タガ」、「口輪タガ」です。
まずタガ編みです。テーパーを計算に入れて、目的地点でギューッと締まる大きさに編みます。一般的な編み方は「ねじり網」と「ぐみ編み」です。「ぐみ編み」は髪の「三つ編み」に似ています。髪は3本で編みますが、タガは1本で編みます。尤も、短いときには足しながら編みます。
好き好きのようですが、上に出たり下に潜ったりする「ぐみ編み」がドラマチックです。尤も、きっちりと編んだ場合のことですが・・・。実は、この「ぐみ編み」を秋田県の現代の名匠K氏から習ったのですが、未だマスターをしていないのです。
継ぎ足しと4周目と5周目の捌き方が納得できないでいるのです。近いうち、またお邪魔するつもりでいます。

今回使うタガ材はトヨシ(籐葦)です。数日水に浸しているものです。水分を含むと伸び、乾燥すると縮む性質があるようです。また、怪我の防止のためでもあります。とはいうものの、小指を少し傷つけます。剃刀(かみそり)以上の切れ味です。
当然ながら、大きい輪の「鉢巻タガ」からのスタートです。先に小さい輪を嵌めると大きい輪が入らなくなるからです。方法としては桶を逆さにし、上(桶の底)から下方(桶の上部)に押し下げてやります。
最初は手で押し下げます。しかし、やがて手では無理になります。板の小片をタガに当てて、上からショックを与えてやります。グルグル廻りながら全体を少しずつ押し下げます。何とかそれらしくなったようです。
タガがけで最もきついのは、最も底に嵌める「泣きタガ」です。僅かのテーパーでビシーッと締め付けるためには、初めから小さ目の輪をつくり、それを無理やり嵌めることになります。いわば力仕事です。おそらく、「泣きタガ」の名前は「泣くほどきつい作業」という意味なのかも知れません。
兎も角、一応の外観はこれで完成です。しかし、今回の「桶のようなもの」にはおまけがついています。舞台裏の覆(おお)いです。仕掛けを収納するコックピットのようなものです。少し手間取りましたが何とか目途(めど)がつきました。
ここで迷いが生じます。塗装を施すかどうかです。当初は塗る予定でしたが、今になっての迷いです。ま、峠は越えたようです。明日の夜まで悩むつもりでいます。