
早朝は降っていましたが、ここ数日降り続いていた雨がようやく上がります。9:00頃には真っ青な空になります。殊更に透明感があり綺麗な空です。降る日もあれば晴れる日もあることを実感します。
今日も朝は文鎮(ぶんちん・ペーパーウェイト)づくりです。昨日は2回目の漆(うるし)を塗り終えています。しかし、一晩寝るとあちらこちらに不満足の箇所が浮かび上がってきます。その多くはデザインです。
手直しの断行です。完成が間近に迫っている段階ですが、このままゴールを迎えるのは安眠妨害のようなものです。
デザインというのは全体の雰囲気です。できるだけ自然のラインを演出したかったのですが、杓子定規(しゃくしじょうぎ)の、セコく面白みの無い出来になっているのです。

単にディスクグラインダーでアクセントをつけるだけの簡単な手直しです。しかし、手持ちのディスクは粗(あら)い目です。
その瑕(きず)を消すために、どうしても細かい目のサンダーでの修正が伴います。小さい作品ですが、この木地調整に時間を要します。
拭漆(ふきうるし)の場合には、木地の仕上がりの如何がそのまま結果に繋(つな)がります。手の抜けない工程です。当然のように、これまで塗った漆の一部は削りとられます。結局、今日の塗りで3回目になったところと1回目の部分が出てきます。
ま、数回も塗り重ねることで無視できるようです。しかし、プロのM氏の眼は誤魔化(ごまか)せないそうです。何回塗り重ねたかを見抜くのだそうです。長年の経験によるものです。
一応の手直しはしたものの、またまた不満足が浮上することも考えられます。この類(たぐい)の作品づくりには100%の納得を期待するのが無理のようです。自分で手がけた作品はいくらでも手直しが可能です。そのこと自体が楽しみでもあります。

青空になった昼前、裏山に出かけます。ハツタケは予想外に多いもののイクジはやや期待はずれです。帰路、Y社長と会います。『この雨で出るでしょう。』と言います。これからが時期なのかも知れません。
地元の「道の駅」に行ったワイフが『ツチアケビがありました。』と帰ってきます。裏山にも生えているそうですが、これまで一度も見た事の無い希少な薬草です。乾燥させて他の薬草とともに煎じます。
1年では使いきれない量です。このところ薬湯の愛好者が増えてきています。皆さんにお分けすることができます。
夕刻お出でになったK社長が『ツチアケビが生えるようになると、それまでその場所に生えていたサモダシ(ボリボリ)は終わりになる、という言い伝えがある。』と言います。
ツチアケビはサモダシの菌が衰えたのを見計らって生えるのだそうです。サモダシは出る場所を変えるキノコです。うなずけるところでもあります。
昔からの言い伝えの中に、明確に解明されていない自然のメカニズムが潜んでいることになります。理屈は兎も角、今年も山の恵みに感謝すること頻りです。