
火の気の欲しい涼しさ、というか寒さです。一昨日の暑さが嘘(うそ)のようです。一昨日から降り続いていた雨は断続的になっています。
朝早く友人がお出でになります。開口一番『イクジが出ているぞ。行こうか。』です。半信半疑ながらも待ちに待ったキノコです。即、行動開始です。目的地は車で7~8分の裏山です。
やはり出ています。まだ大豆大、50円玉大、大きくても10円玉大です。出たばかりのようです。せいぜいこの大きさまでがコリコリ感があります。また、自称キノコ採りのプライドをくすぐる大きさです。結構な量を収穫します。
イクジは松林に生えます。そしてハツタケも同じ場所です。しかし、今のハツタケはやや大きくなり過ぎています。崩れているものもあります。
一説ではハツタケのハツは「初」というようです。他のキノコよりも先んじて出ることからのようです。このハツタケを必死に探す人も、見つけても踏みつけて歩く人もいます。好き好きが明確に分かれるキノコです。
おそらく、独特の風味の所為(せい)のようです。また、食感にもありそうです。好物とする側にはサクサク感ですが、不得意とする人にはモサモサ感に受け止められているようです。
因みに、筆者は、ジューッと鉄板でバター焼きです。5~6枚もあればグラグラするほど日本酒がすすみます。

当然のように、昼食は「キノコ汁」です。しかし、イクジとハツタケでは単調過ぎます。冷凍庫からナメコ、ムキダケ、ヒラタケ、シイタケ等を出します。
これは生のまま冷凍保存しているものです。凍ったまま鍋に入れます。単に糸コン、ゴボウ、ブタ肉、油揚げ等を入れた醤油味です。それぞれの風味がそのまま残っています。少し不思議な世界です。
話は飛びますが、昔から伝えられているイクジの貯蔵方法は「塩漬け」です。茹(ゆ)でて塩に漬けるだけの簡単なものです。食べるときに「塩抜き」をして調理します。コリコリの食感はそのままです。
優秀な方法ですが、惜しむらくは風味が失われることが難点です。しかし、今は事情が違っています。冷凍庫に加えて更に「真空パック」です。数千年も続く常識には柔軟性を持たせるべきのようです。
結局、残ったイクジとハツタケは「佃煮(つくだに)」にします。鍋に酒を入れて火にかけます。アルコールを飛ばした後、醤油、ミリン、ナンバ(南蛮)、ダシ等を入れます。沸騰(ふっとう)した後にキノコを入れます。

キノコからは意外なほどの量の水分が出ます。少し煮詰めます。それを火から下ろして冷(さ)まします。頃合を見計らって「納豆昆布(ナットコンブ)」を入れるだけです。一般的なレシピのようです。
尤も、本来の我が家のものは違っています。これにラクヨウ(落葉)を加えるのです。これは落葉松の下に必ず生える、根元が太い黄色いキノコです。ヌルめきのある菌です。傘の開く前のものが理想的です。
理想は理想として、今日は初日です。満喫すること頻(しき)りです。マッチ棒の先大のものがグジャグジャ見えています。これからが本番のようです。
キノコ狩りには足腰の筋力トレーニングが付随します。当面は明後日あたりが2回目のトレーニングになりそうです。
明日は今日よりも寒くなるそうです。一昨日とは15℃~16℃も低い気温です。顕著過ぎる変化です。しかし、この低い気温が本来なのかも知れません。既に稲刈りが始まっています。