曇り空です。昨日ほどではありませんが、結構な暑さです。昼前の外出時は24℃~28℃です。これは気温計の事情か、計測の場所の違いのようです。


このところの朝の日課は「漆塗り」です。筆箱、コップ、弁当箱、ティースプーン等です。それらに加えて、今日は更に弁当箱が加わります。

実は、この弁当箱は20年以上も毎日お世話になったものです。如何に優秀な漆といえども相当磨り減っていました。その塗り直しです。これまで何回か手をかけてきました。

内部は朱です。以前塗った朱の表面が不満足でした。今日はそれを削り取り、その上に「上生」を被せることにします。よく解かりませんが、顔料の入ったカラー漆のときには上質の漆でコーティングするようです。


午後、新しい試みに挑戦します。「鑞付(ろうづけ)」です。金属を接合する手段です。これまで何十年も思い描いてきた課題です。「ロウヅケ」の言葉は昔から聞いています。

しかし、この「鑞」がロウソク(蝋燭)をイメージさせることで、まったく曖昧模糊の世界でした。一方は「鑞」で他方が「蝋」であることを今日になって知る有様です。

本来はガス熔接やアーク熔接にしたいところですが、まずはそのイントロダクションのつもりです。「鑞付」は、それら一般的な熔接と「ハンダ付」の間の世界です。母材(加工材)を溶かすことなく、溶かしたロウ(合金)を接着剤にする方法です。

とはいうもの、初心者には曖昧模糊の世界です。いつものように、実際にやってみることにします。銅(どう)を練習に使います。使うツールはバーナー、ロウ、そしてフラックスの3点です。いざスタートです。

しかし、スタンバイはできたものの、全くの初心者です。いくつかの疑問が募ります。接着する母材をどの程度熱するか、そしてフラックスの使命がよく解からないところです。しかし、間もなく解明されていきます。

今回は2枚の銅板の両端を接合してリングをつくることにします。1箇所目は見事に失敗です。加工材の固定をしていなかったことから不安定な作業を強いられます。

そしてフラックスの使い方です。液体が乾わき再び濡(ぬ)れた状態になるタイミングを掴(つか)めませんでした。そして何よりも醜い結果です。


しかし、2箇所目になるとコツが解かってきます。あとは美しさの追求のようです。バーナーで焼かれた銅は黒く変色します。酸化した、ということのようです。その処理は単に削除するだけのようです。ワイヤーブラシか何かで何とかなりそうです。手間はかかりそうですが・・・。

つい先日、アーク熔接の実演を見たところです。理屈は兎も角、その技術には似たものがあります。一瞬でも経験することで目の前がパッと開けてきます。あとは腕を磨くだけのようです。

話は飛びますが、この銅のロウヅケは、昔から、おひつ(櫃)や桶(おけ)のタガ(箍)に使われています。しかし、ロウヅケの歴史は然程(さほど)昔のものには思えない節がありました。特に、ロウ(合金)の調達が難しく思えるのです。

しかし、実際には4000年~5000年昔からあった技術のようです。驚きの文明です。それを今日はじめて試したことになります。ビビリながら、そして感動しながら、B.C3000の文明に触れたことになります。


夕刻になって降り出しています。気になるのは裏山の事情です。期待するキノコの出には少し早そうです。もう暫らくは正座をしながらヤキモキすることになります。

2011/09/10(土) 19:09