昨晩からのシトシトとした雨が終日続いています。日中でもノースリーブのシャツではヒヤリとします。しかし、工房作業には快適な気温です。作業の捗(はかど)りについ先日までの暑さが嘘(うそ)に思えます。

今日は作品の納品日です。一昨日からとりかかった作業が、今朝の焼印押しで終えます。並行して「ひばチップ(chip、小片)」づくりです。実は、これまでは工房で出た端材(はざい)は薪ストーブに入っていました。

しかし、折角(せっかく)の秀木の青森ヒバです。香木(こうぼく)として多くの皆さんに紹介すべきのようです。まだ試作段階ですが、数百枚をつくってみます。

拙(つたな)い想像力で考えた用途は、本の栞(しおり)、ストラップ、そして「紙入れ」等に忍ばせる等です。大きさと厚さは数種類です。

先日はその一部をT旅館のK社長さん他数方にご紹介しています。今朝はKホテルの女将(おかみ)さんにお持ちします。『とても良い香りですね。』と喜んでくださいます。

失礼とは思うものの、しばらくの間使っていただき、お客さんの反応を教えてもらうつもりでいます。仮に好評を戴ければ各方面にご紹介するつもりでいます。不評であればまたまた再挑戦です。のぞむところです。

ホテルのロビーから覗(うかが)う島もまた小雨に煙(けぶ)っています。岸辺からの距離は850mですが、天候や季節によって、遠くにも近くにも、大きくも小さくも見える「湯の島」です。


下駄(げた)の試作をしています。勿論、青森ヒバを使ってです。1作目は厚手の足駄(あしだ)です。白木(しらき)です。

2作目は同じ白木の婦人用、そして3作目は同じ婦人用の拭漆(ふきうるし)仕上げです。

今日はその3作目の鼻緒(はなお)の取り付けです。「挿(す)げ」です。下駄(げた)自体もそうですが、この「挿(す)げ」る、も懐かしい言葉になりつつあるようです。是非残しておきたい文化です。

実は、今回の3足の試作にはさまざまな要素を織り込んでいます。特に足駄(あしだ)は片一方ずつ木の使い方を変えています。そのひとつが歯です。一方は木口(こぐち)面を下にし、他方は木端(こば)面を下にしています。

普通の下駄は木端面が土に付くようになっています。これは1枚の木を左右に切り抜いて1足をつくることからのようです。材料を効率的に使っているのです。話は飛びますが、その結果、1方の台の上は木表になり、他方は木裏になります。

この足駄を毎朝、心がけて乱暴に履いてみています。カランコロンと快(こころよ)い音をたてます。出会う皆さんが不思議がり、声をかけてくれます。おそらく、呆(あき)れてもいるらしいです。


1週間ほどで変化が見え始めてきています。意外な結果です。木端(こば)面を地面に付いている方には然程(さほど)の変化は無いようです。

他方、木口(こぐち)面を下にした方は、捲(めく)れてきています。半世紀以上も前、兄が履いていた足駄に似てきているのです。下駄や足駄での通学が認められていた頃のことです。

朴歯(ほおば)だったようですが、長い間履くことで、やはりそうなるようです。懐かしい出会いです。今は、親でさえも履(は)いた経験の無い方も多いようです。ノスタルジアです。

肝心(かんじん)の履き心地(はきごごち)は頗(すこぶ)る結構です。難(なん)があるとすれば重量があり過ぎることです。実は、この評価はたくさんの方から戴いています。

このところお出でになる友人が興味をもって、次々に『履いてみましょう。』、と言い、庭の敷石を徘徊したその結果です。ま、それを目的につくったものです。まあまあの範囲のようです。

ご婦人用の2作目と3作目の分析はまだです。実は、作り立てに地面を認識させるには忍びないのです。今は食卓のテーブルに載せて鑑賞しているところです。


今日から明日にかけての最低気温は19℃とのことです。今がその19℃です。少し涼しいです。しかし、扇風機を使っています。体が暑さを忘れていないのです。

2011/08/25(木) 18:14