「今夏最高の暑さ」です。このところ日に日に暑さが更新しています。向寒のときには寒さの中に暑さも織り交じってやってくるのが一般的のようです。それに対して、今年の夏は中休みなく暑さの極みに向かっています。

昼前、遠方に出かける用事がありました。しかし、今日も性懲(しょうこ)りも無く工房活動に没頭(ぼっとう)します。暑いことから長続きはしませんが、休み休みがまた結構です。午前のひと時に甘んじます。

テーマは「台」づくりです。友人宅の縁側に置くものです。昨日で概(おおむ)ねの部材づくりは終えています。部材とはいってもその数は4片だけです。

他所(よそ)にお届けする作品です。配慮したいところは頑丈さのみです。椅子以上の体重が載(の)ることからです。1トンほどには十分耐え得るつくりにしたいところです。2の次、3の次に見てくれが付随します。

今日は組み立てと塗装です。部材同士の固定は全ネジと一部は木ねじです。実は、適当なコーチスクリューを使ってしまったのです。その代わり、補強材としてL字金具に登場していただきます。

また、脚と天板の固定に桟(さん)をつけます。天板がスライドしない配慮です。今回初めての試みです。


そして天板に瑕(きず)をつけます。載せた足が滑(すべ)らないために摩擦を大きくするためです。

これにはチェンソーによるブラッシングです。スベスベした木肌とは違った潔(いさぎよ)さが演出されます。

話は飛びますが、このブラッシングを盆や台に使った作品を見たことがあります。素材はケヤキ(欅)でした。綺麗な平面でなく、敢(あえ)て瑕をつける技法です。

拭漆(ふきうるし)で仕上げられています。瑕が安堵感(あんどかん)を演出し、それを漆が覆(おお)っているのです。見事でした。

この世界は茶碗(ちゃわん)づくりにも言えるようです。一旦完璧な円形につくったものを、最終段階で敢てグシャと崩(くず)して焼いているものをよく見かけます。結局は和(なご)みの追求のようです。

今回はそれをイメージします。乱暴に瑕をつけ、その表面をディスクグラインダーで整えます。粗(あら)っぽい瑕痕(きずあと)が微(かす)かに残ります。

市販のものには無いことに一人で満足します。しかし、これを見て、『随分(ずいぶん)粗末(そまつ)な出来だ。』、と評価する方も多い筈です。或いは冒険し過ぎたのかも知れません。

塗装に悩みます。腐(くさ)りに強い青森ヒバとはいうものの、外に置くものです。特に脚部には配慮せざるを得ないようです。「スーパーソート」にします。

これは昔のクレオソートのようなものです。自然に優しい、というふれ込みで重宝されている防腐剤です。先般、達人のI氏から譲られていたものです。



次に天板です。当初は無塗装の「白木(しらき)」とも考えたのですが、「亜麻仁油(あまにゆ)」にします。木本来?の色合(いろあい)を出すといわれています。

昔から屋外用のテーブル等の塗装に使われています。油を浸みこませることで、水を弾(はじ)き、木の劣化にブレーキをかける優れものです。

今日は風があります。スーパーソートは半日ほどで乾わきます。夕刻になって組み立ててみます。黒っぽいスーパーソートの脚と亜麻仁油の浸(し)みた淡黄色の青森ヒバのコントラストが絶妙です。

尤も、スーパーソートの匂(にお)いは健在です。クレオソートと同じ匂いです。暫(しば)らく四阿(あずまや)に置いて風に曝(さら)すつもりです。



2011/08/11(木) 20:39