半世紀近くも前、ウツラウツラとしているとクラスの皆さんが苦笑しています。英語の時間です。慌(あわ)てて覚醒し。その笑いの出所を探ります。O先生が出題した和訳です。

「You might think but today's some fishes.」です。「あなたは~するかもしれない。・・・。」等々と乏しい能力で必死に訳してみます。トンチンカン(頓珍漢)です。正解は「ユウマイト オモエド キョウノ サムサカナ」です。

サマセット・モームのエッセイを訳していた中でフッと気分転換の時間を設けての駄洒落(だじゃれ)でした。今日はさしずめ「hot fishes(あつさかな).」のようです。

急に暑くなりました。この暑さは向こう暫らく続くようです。昨日までは涼しい、寒いと宣(のたま)っていたものの、やはり夏です。各地区で熱い祭りが佳境を迎えています。


一昨日の3日、仕舞の奉納があったそうです。今朝の地方紙で知ります。「能(のう)」の「善知鳥(うとう)」です。奥州最北端の本県が舞台になっている唯一(ゆいいつ)の作品といわれています。

善知鳥は、親子の情愛の深い鳥といわれています。親が「うとう」と呼ぶと、子が「やすかた」と答えたそうです。昔、外ヶ浜にいたという鳥です。

12世紀の頃、これを題材に藤原定家が詠んだ歌があります。『 陸奥(みちのく)の 外が浜なる 呼子鳥 鳴くなる声は うとう(善知鳥) やすかた(安方)』です。

更に、それを題材に14世紀の頃、世阿弥(ぜあみ)がつくったのが謡曲「善知鳥」です。ストーリーは次のようです。

漁師が善知鳥に意地悪をし、地獄に落とされます。その猟師が亡霊となり、外ヶ浜にいる自分の妻子の安否を尋ねて欲しいと旅の僧に頼む、というものです。


更に、そのことを題材に志功が「夜訪(よどい)の柵」をつくります。門をあけている津軽っぽい女性の顔立ちを見事に表現しています。漁師の娘さんです。

漁師の家を探し当てた僧が、『ごめんださい。夜分に恐縮です。こちらは〇〇〇様のお宅ですか?』と、門を叩いたのに対して、『どちら様ですか?』、と答えた瞬間を、旅の僧から見た角度で描いています。

おそらく、夕食の片付けが終わった8:00頃なのでしょうか。突然の来客に対しての、期待、はにかみ、外部の接触への好奇心、無防備さがよく表れています。

一刻も早く、という夜訪(よどい)の設定が僧侶の誠意を伝えています。一般的にはクローズアップされていないようですが、志功の想像力を垣間見ることができる見事な作品です。

藤原定家が詠んだ歌は「善知鳥神社」の歌碑に刻まれています。その「善知鳥神社」での奉納です。残念なのはそれが2日後の今朝になって知ったことです。情報の伝達方法または情報の収集能力の何れかに問題がありそうです。

また、当の奥州最北端ではあまり話題になっていないことです。定家がとりあげたほどです。1000年近い昔は首都圏が注目するほどの文化圏であったことになります。地元で話題にならないことが少し残念です。


今日の工房活動は「椅子」づくりです。風呂場用の椅子のことから「ユイス」とも表現されているようです。椅子はこれまで数脚つくっています。しかし、今回は新しいバージョンに挑戦することにします。

まずカンナ(鉋)がけです。少し?ガッカリします。縞(しま)が入っているのです。実は、心当たりがあります。つい先日、台づくりに古材を使いました。

気をつけたつもりですが、釘(くぎ)が埋まっていました。プレナーはクギであってもスパッとカットしますが、刃にも瑕(きず)がつきます。その瑕がシマを描きます。


気を取り直して、続行します。座板と脚にテーパー(taper)をつけることにします。10°にします。幕板(まくいた、脚と脚のつなぎ)を含めて8辺に同じ角度を持たせることになります。これまでの直角とは事情が大分違います。

この加工に使うツールの選択が第一関門です。10°のテーパーはそれぞれの部材に反映します。結局、丸鋸(まるのこ)にします。パズルの世界です。それでも何とかなりそうです。

難関は座板と脚のコネクトです。座面にはビス等の跡を見せたくないところです。結局、ホゾ接(は)ぎになります。しかし、このホゾ孔にも10°のテーパーは係わっています。

トリマーやルーターでも対応できるのでしょうが、丸鋸と鑿(のみ)そして金槌(かなづち)に任せます。これでも何とかなります。

しかし、今回は様子見の試作品です。やがてまとまった数をつくるとなるとこうはいかないようです。単純で正確な加工方法を考えなくてはならないことになります。そのためにも今回は少し苦労してみるつもりです。

幕板はまだですが、組み立ててみます。何とかそれらしく映っているようです。

2011/08/05(金) 22:00