時折のひやりとした風です。しかし、作業中、ウッと呼吸を止めると即(そく)汗が出ます。着替えたシャツは朝から5枚です。ズボンを吊るすサスペンダーもエプロンもビショビショです。夏の特徴です。

朝、製材所のY社長から電話があります。『板を挽(ひ)いています。お出でになりますか。』、です。お願いしていた「俎板(まないた)」の材料です。仕上がりの寸法は幅7寸、長さ1尺2寸ほどです。実際にはこれよりも大きく挽きます。

先日、このサンプルをつくっています。いくつかの課題があります。その中のひとつに木端(こば)面へのカンナ(かんな)がけがあります。

本来?はプレナーに頼りたいところです。しかし、満足する結果が得られませんでした。「手押しカンナ」を試すことにします。製材所の万能機をお借りします。

「手押しカンナ」の本来?の役割は「鉦出し(かねだし)」にあるようです。これは隣り合う2面の直角化です。しかし、向かい合う木端面の2面が平行になる保証は無いのです。将来行うことになる幅合わせ作業や微調整に希望を託すことにします。

「手押しカンナ」は各面2回以上かけます。凹凸の平面化も兼ねています。時には刃を当てる方向が逆にもなります。そのときには3回、4回となります。それでも100枚の加工は2時間弱で終えます。実は、この2時間には数回に及ぶ休憩時間も含みます。腰が立ち姿勢を歓迎しないのです。


「手押しカンナ」は何度か使っていますが、これだけの量の加工は初めてです。500回以上も使っていると刃が削る微妙な音や感触の違いに気付いてきます。

ある程度ではあるものの、その感触の違いで順目と逆目が判断できるようになります。良い経験でした。

作業後、自宅に運びます。1寸3分の板です。1枚でもある程度の重さです。それが100枚です。スリムな方であれば3人分以上はありそうです。トランクに積むと車体が次第に沈んできます。とりあえずの搬入場所は玄関です。青森ヒバの香りでクラクラするほどです。

実際の加工は部材の全てが揃(そろ)ってからです。残りの製材を待ちながら次の作戦を考えることになります。そのテーマは精度と作業の効率性の確保です。しかし、いくら高い精度であっても手間のかかり過ぎる加工はナンセンスのようです。

逆に、いくら短時間に終えたとしてもそれなりの精度が伴わなければ役に立たない作品になります。とはいうものの、与えられた時間は結構ありそうです。

手間を惜しむ理由は無いのです。時間は無視すべきのようでもあります。可能な限り完璧な作品を目指さざるを得ないことになります。



阿賀野川付近の豪雨が伝えられています。お見舞い申し上げます。当地のここ2、3日も日中、夜間と降っています。しかし、山はまだまだパサパサと乾燥しています。昨日お邪魔した達人のI氏の山荘もそうでした。

おそらく、山林に降った雨の多くは木々の枝葉に付着し、やがて蒸散するようです。地上に達しないことが残念です。不謹慎とは思うものの、キノコが心配です。菌の増殖には水分が不可欠です。

間もなく8月です。イクジやマツタケの声を聞いても良い頃です。気になります。

2011/07/29(金) 20:18