ぐずついていた昨日と一転して真っ青な空です。その直射日光を浴びると暑いほどです。しかし、時折吹く風は冷たいです。日中の気温は16℃程度です。この陽光と冷やりとした風とのコントラストが素晴らしいです。

今日も朝から木工三昧(ざんまい)です。当地は奥州最北端の観光地です。震災で遠のいていた旅行客の足が3ヶ月を経て漸く(ようや)く元に戻ろうとしています。それと比例して、工房KUROOBIの日常活動も以前の状態に復活しています。

昨日はKホテルにお届けする作品の下拵え(したごしらえ)でした。今日はT旅館用の準備です。まず鉋(かんな)がけです。100本にかけます。プレナー(自動カンナ)を使っての鉋がけは簡単な作業です。しかし、デリケートな配慮があります。

まず、材の両端の木口を切り落とします。次に隣り合う2面にカンナがけです。大抵は、1回では期待する結果にはならなく、同じ面に3~4回も挑戦します。配慮することは逆目にしないことです。逆方向に刃を当てるとボソボソとなります。


この逆目のコントロールは数回プレナーを通す中で調整しています。それでも、材によっては、1本の中に、逆目と順目が同居しているものもあります。

この矛盾への対応は、やがてサンダーに頼ることになります。結局、このカンナがけに6時間ほども要しました。勿論、途中の休憩時間や外出時間も含めてです。

この100本で約2000個の作品になります。暫(しば)らくは何とかなりそうです。しかし、今月末から「大人の休日」が始まります。これは期間を決めた旅行優待の企画です。JR東日本が仕掛け人です。

実は、昼前、T旅館の社長さんがお見えになりました。開口一番、『今月末からは特別期間です。十分な作り置きをしておいてください。』です。Kホテル用とともに、もう少しの下準備が必要のようです。

夕刻、福井県のH氏がお見えになります。いつも新鮮な国内や海外の状況を教えて下さる方です。お聞きすると、どの地区も当地同様、この度の震災の影響が大きいようです。やはり、でした。


H氏からは「漆」の他にキノコ栽培の情報もいただきます。実は先般からオーダーしているのが「マイタケ(舞茸)」です。近いうち何とかなりそうです。ヘラタケ、ナメコ、シイタケはあるものの、一角にはマイタケ林にもしたいところです。

前後して達人のI氏ご夫妻がお出でになります。名古屋にご旅行した帰りです。たくさんのお土産(みやげ)を頂戴します。その中に常滑焼の急須(きゅうす)があります。常滑焼は昔から甕(かめ)で有名です。急須には初めての出会いです。恐縮すること頻り(しきり)です。

お話を聞いて、昔から憧(あこが)れていた旅行に誘惑されます。朔太郎だったと思いますが、『ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背広をきて きままなる旅にいでてみん。』、『汽車が山道をゆくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ』

更に、『五月の朝のしののめ うら若草のもえいづる心まかせに。』の世界です。この、『五月の朝のしののめ・・・』の頃、というのは奥州最北端では今の時期のようです。

歩行が不如意になったことで、忘れかけていた世界に憧れます。「大人の休日」に便乗したくなってきます。サツキが花数を増しています。やはり、花よりも葉の美しさが際立ちます。


2011/06/15(水) 20:42