
「園芸事情」・・・Even the hunter
早朝から終日ぐずついています。小雨よりも細かく弱いものです。半平太が濡れた雨も、或いはこの程度だったのかも知れません。
昨日は雪の洗礼を受けました。しかし、その前までは16℃~17℃もありました。その所為(せい)か、草花が一斉に、そして勢いよく芽吹いています。しかも、成長が驚くほどスピーディーです。
昨日まで気づかなかったアザミ(薊)もガツンと葉を茂らせています。工房のすぐ前です。毎春一度はいただいています。定番はオヒタシと味噌汁です。歯ざわりを楽しむためです。いつもは裏山で摘みます。そろそろ時季を迎えているのかも知れません。
庭のものはどこからか種が飛んできて育ったものです。毎夏2mほどにも茂ります。葉の棘(とげ)でチカチカすることで、庭からお入りになる皆さんが嫌がります。しかし、10年以上も見守ってきたものです。情が湧いてきているようです。
『窮鳥懐に入れば猟師も殺さず(きゅうちょうふところにいればりょうしもころさず)』に似ています。話は飛びますが、英訳では『Even the hunter will refrain from killing the bird that has flown to him for shelter.』となるそうです。
「工房事情」・・・残り1/6面台のようなものをつくり始めてから大分経っています。様々な誘惑が進捗にブレーキをかけています。
椅子兼用、簡単な入れ物兼用等にもしたいところです。基本的には頑丈さを優先させるべきです。しかし、美観も棄て難いところです。
更に、加工の仕方に拘(こだわ)りを持ちたいところでもあります。そして、研修も目的にしたいところです。しかし、あれやこれやの要素を最優先させることは、必ずしも矛盾では無さそうでもあります。方法はいくらでもありそうなのです。
昨日は「ダブテール(鳩の尻尾)」への挑戦でした。初めてする試みです。満足度は75%ほどでしょうか。まあまあです。気をよくして今日も「ダブテール」の研修です。この「ダブテール組み」加工の手順にはさまざまあるようです。
今回はオス型を最初に加工し、そのサイズに合わせてメスの幅を決める方法を採用しました。採用、とはいっても、他の選択肢は無かったのです。
これには加工する材の中点を明確にする必要が伴います。メスの幅は別の材でつくっておき、それを定規(じょうぎ)にしました。その際、中点が重要な役割をします。今日もルーターが大活躍です。そしてストッパーの固定にはクランプが欠かせないツールです。
いつの間にか、この「ダブテール接ぎ」を10箇所もしています。不思議なことは、最初が最も満足度が高く、繰り返す毎に隙間(すきま)が出てくることです。おそらく、集中力が鈍ってくるからのようです。当初の完璧主義がいつの間にか大雑把主義に傾いてくるようです。
しかし、今は仮組みです。ホゾを外すとすべてが分解できます。各パーツの手直しはいつでも可能です。ピタリとフィットしていない等の我慢し難い恥部の手当ては全体像を確認した後でもよさそうです。
設計図の伴わない工作とはいうものの、計算だけはすることになります。割り算が主です。昔は暗算で処理していた筈のものを今は紙と鉛筆に頼ります。しかも、同じ計算を2回も3回も繰り返しています。それでも間違うことがあります。鈍ったものです。
計算の結果を加工する材にコピーします。そのときの助っ人は「毛引き」です。昔、既にあることを忘れて同じものを再び買い求めました。まったく同じものが2丁あります。当時は無駄な買い物をした、と思っていました。
しかし、頻繁に使うようになった今はもう2丁は欲しいところです。4丁であれば4つの値を記憶しておくことができます。特に、物指し(ものさし)では計りきれない、中点までの距離の表現に力を発揮するようです。昔からの優れものです。
微調整はまだですが、結局、6面のうちの5面が完成したことになります。作業が進むにつれて、只管(ひたすら)、得体の知れないゴールに向かっている錯覚を覚えてきます。手本の無い、感性だけが頼りの気ままな創作活動です。・・・尤も、箱ごときに創作もへったくれも無いことは、先刻承知はしているつもりです。
敢(あえ)ての弁解は、他に存在していない作品を目指していることだけです。予想できる結果は、全くのトンチンカン(頓珍漢)か、すこぶる優秀か、の何れかのようです。その勝負は残り1/6面で決まりそうです。そのプログラムはこれから考えることになります。
夕刻、K社長がお出でになりました。さまざまな情報をいただきました。この3月前半まで続いていた製作作業に、そろそろ戻ることになりそうです。来週から春の連休が始まるのです。善しとすべきです。
2011/04/21(木)
18:43