
残り少なくなっている車のガソリンに神妙にしていました。しかし、昨晩草鞋(わらじ)を脱いだY君から、『もう大丈夫のようですよ。』、の情報をいただきます。
今朝、早速行動開始です。とはいうものの、実際にはY君に雑作(ぞうさ)にかけます。めでたく満タンになりました。2週間を経てようやく元に戻ったようです。
しかし、街中は静まりかえっています。数軒の旅館を除いて、ほとんどのホテルや旅館には臨時休業が続いています。必然的に、関係する商店にも打撃が及んでいます。直接の被災地の比ではないにしても、観光産業の当地としてはまだまだ大変な状態です。
昼前、友人が数種類の鉢を持ってお出でになりました。咲いた白い花、咲く直前の山葵(わさび)とヒヤシンス等です。既に新しい季節が訪れていたのです。
『今年はサツマイモの苗にアサガオの接木(つぎき)を成功させたい。タマネギも植えよう。』、と抱負を披露します。サツマイモの苗・・・、というのは、まだ成功していない、ここ数年の課題です。
地上部分はアサガオ、そして地下にはサツマモモが育つ、という目論(もくろ)みです。雪が厳しかった分だけ春への期待が大きくなっています。

まだまだサンプル段階ですが、音の出る「笛」に漸(ようや)く辿(たど)りつきました。「青森ヒバ」がテーマですが、エンジュ、イチイ等も使ってみました。やはり誘惑されます。
新たにつくりたくなりました。即、薪(まき)の中からそれらしい太さのものを探します。何れも表皮部分は朽ちています。
実は、その段階からのスタートがドラマチック性を楽しむことができます。木は鍛えれば鍛えるほど変化します。変化、というよりも本来持つ姿を現してくる、ということでしょうか。
加工手順に迷いました。腐りの削除がカット前か後かです。カット前が効率的に思えますが、曲がっている枝です。カットからになりました。しかし、これにも気は使います。ツールはスライド丸鋸(まるのこ)です。キックバックが心配されます。
スライドではなく、刃を真上から落としたつもりです。しかし、ガーンとしたキックバックに襲われます。鋳物(いもの)の定規が見事に割れています。しかし、20~30個分は確保できました。
その中のイチイ1個を鍛えることにしました。単に表皮を剥(は)ぎ、磨くだけです。多少の根気を要します。しかし、磨いたものを手の中に包むと不思議な感覚に襲われます。
普段の生活には無い滑(なめ)らかさと硬さの感触です。そして普段着の目の表情です。整ったヒバのヤクモノとは違う、荒々しい息吹もあります。なかなかに棄て難い世界です。

本来は「青森ヒバ」の発信が主題です。しかし、これまでは製材した角材からのスタートでした。考えてみると何となく邪道に思えてきます。
いくつかの理由があります。まず、旋盤加工した丸棒が機械的過ぎることです。整い過ぎているのです。やはり、自然の造形に勝るものではないようです。そして、何よりも勿体無いなさがあるのです。
心強い満タンのガソリンに後押しされ、早速、製材所のY社長をお訪ねしました。『適当なヒバがあります。何万個でも何十万個でもつくれます。すべて廃棄するものです。是非使ってください。』、のヒントをいただきます。
今時(いまどき)のエコに合致もします。正義を伴う木工活動です。またまた新しい世界が開けてきそうです。雪融けを待って山に入ることになりました。まだ時間があります。今は腕を磨くだけのようです。