
細かい雪が降ったり止んだりしています。日中の気温は4~5℃です。庭に出て融け残っている雪にスコップをあててやります。
門を閉めていることで来客の皆さんの目には触れない庭です。自分だけの視覚に訴えるための作業です。
ザクッ、ザクッとスコップの目を入れるだけで融けるスピードは顕著に高まります。しかし、スコップを使う目的は単に融雪を促(うなが)すためではなく、掃除のようなものです。スコップの目が活気を演出してくれるのです。不思議な次元です。清少納言の世界です。
昨日は久し振りの煙突掃除です。工房の薪(ま)ストーブです。当然のことですが、吸い込みが全く違います。ゴーッ、ゴーッと音を立てて燃えます。
暖かい(暑い)工房で、「笛」づくりの3日目です。1日目は細い竹とトリコシバの枝を使いました。2日目の昨日は青森ヒバを試しました。これも直径16mmほどの細いものです。
音は出ますが、やや不満足の出来です。まだ2回目です。先を急ぐ旅ではないのです。また、簡単過ぎる課題を克服したとしてもさほどの満足感は得られないものです。まだまだ模索を楽しむことが出来そうです。
今日は材の寸法を変えてみます。同じ青森ヒバの、直径32mmほどの丸棒を使うことにしました。そして、内部を刳貫(くりぬ)くビットを2種類にしてみます。一方の直径は12mm、他方は25mmほどです。ほど、というのは1インチ(25.4mm)です。
例によって、ややテーパの甘くなったボール盤をだましだまし使います。何とかやりおおせます。頑張りました。孔は貫き通しませんでした。吹きこみ口と反対側は密閉状態です。吹き込む息が途中で漏れないことがポイントです。吹き口を塞(ふさ)ぐ材の直径に気を使うところです。12mmと25mmの丸棒づくりです。そして息を送り込むルートにテーパをつけます。空気を集約する配慮です。
いよいよ取り付けです。とりあえず嵌(は)めてみて音を出します。試行錯誤で最も満足する位置を確認します。その後、接着剤で固定します。一旦糊付けした後の修整は少し大変です。再びビットを使うことになります。
3点の「ヒバ笛」の完成です。吹いてみます。固定する前に確認はしているものの緊張する一瞬です。1作目、2作目とは全く異なる音です。満足度98%です。
それを確認してから姿の調整です。唇(くちびる)の納まりを工夫してみます。まずスライド丸鋸(まるのこ)で木口(こぐち)の一角をカットします。
つぎに、その切り口をスピンドルサンダーにあてます。結果的にはリコーダーの吹き口のようになります。妙に納得する瞬間です。
25mmの孔の作品は低音です。ボーッボーッと「鳩笛(はとぶえ)」のようです。12mmのものは高音を発します。ピーッと運動会で使うホイッスルに似ています。
吹き口から送る息の100%が音に変わっていることを感じます。スーッ、スーッと息が漏れないことでストレスが無いです。
「笛づくり」の3日目です。1日目と2日目のテーマは音を出すことだけでした。3日目になってようやくそれらしい「ヒバ笛」の完成です。しかし、この「笛づくり」は小学3~4年生の取り組む課題です。単に音を出すだけであれば、作業難度はさほど高くないことを実感します。そのことを思うと、ここ3日の工房活動が少し気恥ずかしくもなります。しかし、実際の奥は深いようです。単なる「笛」ですがそれぞれに特徴があるようです。
工芸品的要素をテーマにしたもの、演奏に耐える音程の操作の可能なもの、また、「呼子(よびこ)」の中にはウグイスや鈴虫の鳴き声を出すものもあります。嵌(は)まると大変なことになりそうです。
今日の作品は直径32mmのヒバです。長さは50mmと70mmです。50mmは手にスッポリと収まります。握(にぎ)っているだけで平和になることが不思議です。多くの皆さんに味わっていただきたい感触です。夏祭りに出品できそうです。
明日から数日続く雪ダルママークです。最高気温も3℃ほどと低いです。それでも氷点以上です。善しとすべきのようです。
福島原発で被爆がありました。心が痛みます。しかし、短靴での作業、ということが理解できないでいます。常識的には長靴の筈です。何らかの事情があったのでしょうか。
いずれにしても現場監督の危機感には疑問が残ります。根本的なあり方に唖然とします。事故は起こるべくして起こったことが証明されたことになります。
2011/03/24(木)
19:03