
「越冬事情」・・・水龍大神
昨晩新しくは降っていないようです。警戒していたものの少し拍子抜けです。しかし、午前中から降り出しました。
朝、友人がお出でになりました。彼は毎年、裏庭にまとめた雪で「カマクラ」を作っています。
その彼が、『御札をつくってください。』、と言います。実は、別の友人から『カマクラには水神様(すいじんさま)を祀(まつ)るものです。』、と言われたのだそうです。クラシカルなジャンルを得意としているS氏です。
恥ずかしいことにはじめて聞く世界です。恐れ入るところです。早速(さっそく)調べてみました。・・・長い歴史が育んだ伝統文化です。飲料水、かんがい用水をはじめ水田稲作にとって、水は五穀豊穣をもたらす命の源です。「水神信仰」はその恵みを天の神に願う農耕儀礼の一つであったようです。
それは水のある場所によって名前を変えたようです。川の神、泉の神、滝の神、池の神、井戸神等です。そして民間伝説に「竜」を伝える例が多いことに気付きます。これも、滝と大きな淵を「水神の滝」として敬う水神信仰のあらわれのようです。
冬に蓄(たくわ)えられる雪も水と同じ要素です。雪でつくる、遊びとしての「カマクラ」にも、五穀豊穣を天に願う思いが反映されているらしいのです。
しかし、その具体的な表示の仕方が解りませんでした。学校で教えてくれないことが残念です。当初は「水神」、「水神様」、「水神守護」等を考えました。結局、「水龍大神」にしました。また、今回は省略しましたが、作法的には「御幣(ごへい)」や「水引き」とセットにするようです。
簡単な作りにしました。青森ヒバの板に墨(すみ)で「水龍大神」と書き、乾いてから「木固めエース」を塗るだけです。T氏のカマクラに伺ってきました。完全には完成していませんが、天井は2mもの高さです。そして室内は4畳ほどと広いです。外は吹雪ですが中は暖かいです。入り口を小さめにしているからのようです。カマクラ独特が持つ不思議な世界です。
『湯豆腐(ゆどうふ)をやろう。』、と誘われました。今日は少し無理のようです。やがてカマクラの中での新年会が企画されそうです。
「工房事情」・・・梯子達磨
いくつかの候補の中、「梯子達磨(はしごだるま)」をつくることにしました。理由の一番は単純さにあります。そして、誰もが一度は遊んだことのある、懐かしさがあるのです。惹(ひ)かれる課題です。
しかし、往々にして、この単純さが実は曲者(くせ)ものです。梯子(はしご)の支柱は兎も角、踏み桟の太さがデリケートです。何よりも桟(さん)の上下間の隔たりがキーポイントのようです。それは、回転して落ちる達磨(人形)の構造と相関関係があります。
頭の中で考えてもどうしようも無い世界です。試行錯誤が最良の策のようです。まず達磨づくりです。この作り方は、先達の教科書には2つの部材を加工して合体させる、とあります。しかし、1つを刳(く)り貫いても問題は無さそうです。
垂木(たるき)の端木(はぎ)を使いました。この段階での長さは無視します。踏み桟の間隔は完成した達磨に合わせればいいだけのようです。ボール盤で2箇所に孔をあけ、その後、桟を咥(くわ)える溝を穿(うが)ちます。ツールはテーブルソーです。次は梯子づくりです。支柱の2本と桟の部材をつくるまでは簡単です。勿論?プレナー(自動鉋)とスライド丸鋸は使います。分合わせのためです。
最も肝心なテーマは桟と桟の間隔です。確実な方法は試行錯誤です。微妙な値があるのです。何回もやり直すことから、支柱と桟の固定は仮止めにします。
当初は両面テープを使いました。しかし、不適当でした。桟に達磨がカーンとぶつかるときの衝撃は結構なものです。外れてしまうのです。結局、小型クランプの登場です。位置の変更が可能な上、強い固定力です。
やがて期待する動きに導かれます。その瞬間、思わずニヤリとしている自分に気付きます。精神構造の単純さも関係しているようですが、生まれて初めて解決した課題です。無理からぬことなのです。
まだまだ手直しがあります。達磨の形、咥え込みの深さ、桟の固定方法、梯子の立て方等です。しかし、基本的な数値の確認は終えました。方針が決まりさえすれば、あとは恐縮するほど簡単な作業になる筈です。
このまま梯子達磨の鍛えを続行するか、或いは、新しい課題を設定し直すかは明日の朝の雰囲気に委(ゆだ)ねることになります。
降る、降るとは言われたものの、然程(さほど)では無い状況です。昨晩訪れたY氏が『太平洋側にも降っていますよ。』、と言っています。いつもは降雪の少ないところです。やはり今年の雪は多いようです。
しかし、長期予報では、2月は例年よりも暖かくなるそうです。2月は明後日からです。今が厳しければ厳しいほど、春を近くに思えます。ここ2~3日が峠のようです。是非期待したいところです。
2011/01/30(日)
16:23