
早朝の除雪以来、日中にはおとなしい雪です。昼ころ、微(かす)かながらも屋根から雪融け水が滴(したた)り落ちていました。おそらく、氷点ギリギリの最高気温だったようです。
それでもチリチリとした雪は降っています。どこのお宅でも閉口しています。寒く、降る日はあっても、数日に一度の暖かさがあれば、雪もまた愛嬌に見えなくもないのですが引っ切り無しです。
朝から「漆塗り」です。まず、室内用の小さい看板5組に手を掛けました。今日は3回目の「拭き漆」です。5組というのは10のパーツです。結構な時間を要します。

当初、拭き漆であれば木の目が残るのでは、と思っていました。しかし、殆ど隠れています。
しかし、木の目が残る、消える、の何れが優先されるべきかは難しいところです。見る側の感性によっても分かれます。それぞれに捨てがたい魅力があるのです。
朝に塗って、昼過ぎには早くも乾いています。結構、良い仕上がりのようです。今回の塗りには殆どトラブルはありませんでした。
予定ではこの3回目の塗りで下地塗りを終えるつもりでした。しかし、今晩一晩は頭を冷やす時間が必要です。「蒔絵」を明日にするかどうかは明朝決めることになります。
次に大きい看板2枚です。先日から文字の修復に時間をかけています。実は、厚く塗り過ぎたことで縮みが発生しました。その修正です。何とか回復しつつあります。しかし、この修復を繰り返すことで、文字自体は厚みのある重厚な結果になる傾向があるようです。
話は飛びますが、下地から盛り上がった漆の文字を見かけます。厚く塗った漆の乾燥は難しいようです。しかし、これには昔からの秘密兵器があるようです。
「卵の白味」です。これをほんの少し漆に混ぜて撹拌(かくはん)するのだそうです。しかし、その量の加減の体得には何回もの試行錯誤が伴うようです。

今日は、縮みを削除した後の第一回目の塗りです。乾きの早い漆を使いました。やはりテレピン油に活躍していただきました。硬い漆であることから、表面の滑らか化に必要でした。
使った筆は平べったい形状です。実は、先日、H氏から、『丸い筆は両側に溜まる傾向がある。平均的に薄く塗るときには平筆が良いのではないか。』、というご指導をいただいていたのです。
今日は修正後の第一回目です。多少の乱れは問題にはならないようです。乾燥後、サンダーで微調整して塗り重ねます。数回は繰り返すことになりそうです。
漆塗りの作業現場は多少ヤンチャになっています。しかし、微々たるひとつひとつの工程を経る度毎に、確実にそれらしい結果に変化していくことが確認できます。
丁度、スポーツ選手の筋力トレーニングに似ています。軽い負荷であっても、続けることで変身する、ということを聞いたことがあります。何となく哲学的です。