朝の小雨が昼前には霙(みぞれ)に変わります。その後は時折の重そうな雪です。九州でも降ったようです。日本列島が同じ気候条件のようです。

南国の方には恐縮するところですが、この、同じ条件、ということにホッとしてもいるところです。

今日は大晦日(おおみそか)です。正月を迎える、それなりの仕度があります。早朝、まだ暗いうちに近くの旅館にお邪魔しました。やはり、女将(おかみ)さんが飾りつけの最中でした。

我が家でも、年越しの膳(ぜん)の準備から、床の間、神棚、そして仏壇のお華束(おげそく)に新しいお供え餅を供(そな)える等はワイフが担当します。

それと並行して、別室の工房ではいつもどおりの創作活動です。結局、昼食抜きの作業になりました。何だかんだの課題の中には「看板づくり」もあります。

昨日、概ねのデザインづくりは終えています。しかし、何となく釈然(しゃくぜん)としない部分もあります。昼前、製材所のY社長がおいでになりました。タイムリーでした。早速(さっそく)現状をご覧いただきました。

『普通の建具(たてぐ)とは違って、この種のものには決まった形は無い。自分の感性に従って創作するだけです。』、と言います。

しかし、『この部分は面一(ツライチ)になっています。上下のどちらかを多少削除することで落ち着くのではないか。』、とコーチしてくださいます。


更に、『削除する際は少しずつが良い。何回か繰り返す中でバランスの落ち着くラインが見える筈です。』と補足します。やはり専門家です。

実は、Y社長は数多くの作品を手がけています。その実践で身に付けた哲学があるのです。

参考になること頻(しき)りでした。即、微調整です。やはり、ほんの少し手を加えるだけで雰囲気はガラリと変化します。不思議な世界です。


次の段階にすすむことにしました。実は、技術的な大きい課題がありました。塗装です。文字には漆(うるし)を使うつもりですが、地(じ)をどうするか、です。植物系、化学系等、さまざまな選択肢がありました。どれも一長一短に思えるのです。

結局、第一候補に「木固めエース」をあげました。これはウレタン系です。しかし、ここで問題があります。漆とウレタンの境界です。

その境界をクリアーにするには地を先に塗った方が良さそうです。しかし、最初に塗るウレタンが漆のエリアを侵すと、漆は木に浸(し)みこまなくなります。

考えたのは文字部分のマスキング(masking)です。一般的にはマスキングテープ(masking tape)です。しかし、文字等の曲線には不向きです。思い出したのは「液体マスキング」です。半年ほど前に手に入れていたのです。

例によって、工房内での捜索(創作ではない)活動に突入です。30分を要してようやく発見です。まだ使ったことの無い代物(しろもの)ですが、プロの皆さんが使っているそうです。それを信じて、即(ようやく)行動開始です。


瓶(びん)に入っている状態では白い液体です。それが空気に曝(さら)されることで硬化して透明に変化します。丁度、テレビのコマーシャルで見る、ご婦人が顔に使う、パック(pack)に似ています。

筆で塗ります。勿論(もちろん)?100円で数本の類(たぐい)になってしまいますす。実は、良い筆を使いたいところですが、時間の経過で筆自体が硬化します。結局、使い捨ての筆になるのです。

このマスキング液をやや厚めに塗りました。透明化して剥(は)がせる状態になるまでは小一時間ほどです。しかし、この後は地の塗りです。

地に2度ほど手を掛けてから剥がすつもりです。何せ初めての試みです。マスキング部分にウレタンが侵入しないことを祈るだけです。

その後、トリマーによる文字の境界線の彫刻です。そして最後の過程の漆かけです。数回は繰り返すことになりそうです。ま、文章的には長いのですが、大したことは無さそうです。


先ほど、元旦の朝刊が届きました。ドッサリの広告は元旦からの初売り紹介です。元旦が土曜日である特殊性もあるようですが、昔は考えられなかった現象です。

一般的なお仕事は、大晦日と元旦はお休みのようです。しかし、この期間に忙しい方がたくさんお出でのようです。

想像してみると、巫女(みこ)さん等の初詣(はつもうで)関係はじめ、交通機関関係、旅行関係、郵便局、宅配便、医療関係、コンビニエンスストア等が考えられます。勿論、工房KUROOBIもです。


今年一年、何とか頑張りおおせました。平素のご芳情に深謝しながら、皆様のご多幸をお祈りしております。来る年もどうぞ宜しくお付き合いくださいませ。

2010/12/31(金) 16:45